AccessのWeb化実績1
某団体にて10年以上に渡り更新されてきた複数のAccessとVBで構築されたシステム(会員・請求管理、支払先・支払情報管理、設備情報管理)を統合し、紙で管理されていた承認フローを結合してWeb化、AWSへのクラウドシフトを行いました。
プロジェクト開始前時点で、複数の業者が統合を模索した形跡があり、DBのみオンプレミスのSQL Serverに統合されてはいましたが、実態はAccessのテーブルをそのまま移行しただけのもので正規化も全くできておらず、連絡先や口座情報などが複数のテーブルに散在している状態で、請求単価もマスタとして管理されていませんでした。データの散在に加えてAccessのクエリーからデータ型を無視した情報が登録されていたためSIerも手を付けられなかったのが実態です。
先ずインフラの整備ですが、クラウドシフトとはいえ公開Webサーバと基幹システムは完全に切り離し、基幹システム側は事業所内を除く外部からは接続制限をかけ、テレワーク用にはVPNを導入することでセキュリティレベルを確保しつつ、データセンターで運用されていたSQL Serverを廃止かつAWS上のMySQLに移行することでサーバの運用コスト自体を引き下げました。
要件定義フェーズにおいて、Accessの画面とテーブルの中身を分析してユースケースをあぶりだしたうえで、データベースの正規化に挑みました。
正規化の結果、これまで手動で出力していた請求書を会員のカテゴリーごとに単価、言語、課税非課税、手数料有無等を自動で切り替えて一括でメール送信するように改善し、作業時間の短縮を達成しました。
また支払先の適格請求書事業者番号を管理し、支払情報起票時や稟議申請時に証票を紐付け登録してインボイス制度と電子帳簿保存法の両方に対応可能な仕様としました。
そのうえでモックアップを作成し、現場に確認をとりながら画面設計書とDB設計書を仕上げてゆく作業を行いました。
他に帳票の再設計、細かい機能設計、稟議承認フローならびに経理承認フロー、予算管理機能などを連携し、外部サーバで管理されている情報資源もあってFTPとCSVで情報共有が行われていたため、それらを廃止してREST APIを新たに設計しなおしました。
調査開始から開発完了まで2年間のプロジェクトでした。
AccessのWeb化実績2
某工作機械メーカーにおいて、Accessと人手でピックアップしていたマニュアルの出荷リスト作成を自動化するプロジェクト。
工作機械は安全保障に関わる高度な技術が含まれているため、マニュアルも国によって公開して良いものと公開してはまずい情報があります。
基幹システムから流れてくる工作機械の受注データからマニュアルに関係する仕様を抽出し、必要なマニュアルをリストアップして言語を加味した出荷リストを自動生成するために抽出条件をデータベース化して社内のオンプレミスサーバにWebアプリとしてインプリメントを行いました。
基幹システム側の刷新が同時進行で重なり、旧コード体系と新コード体系が混在する難しい環境下、情報システム部門と細かい調整を行いながら開発を行い運用まで漕ぎ着けました。